オービトロンは、これまで主に自動車やオートバイを対象に研究開発を続けてきました。ただし、私たちが見ているのは車両だけではありません。機械が動く環境そのものを観察し、条件をそろえ、違いを確かめることも開発の一部です。
今回使用したのは、市販中の車両用製品ではなく、工作機械への応用を目的に開発している試作品です。
完成品の宣伝として結論を示すのではなく、開発途中の比較試験として、条件と映像を公開します。
工作機械用オービトロンの開発へ
車両分野で積み重ねてきたオービトロンの研究を、工作機械にも応用できないか。そこから、旋盤を使った比較試験を行いました。
工作機械では、加工音、振動、切りくず、加工面、工具の状態など、複数の要素が同時に変化します。そのため、一度の観察だけで効果を断言するのではなく、まずは同じ条件で比較し、次に何を測定すべきかを整理する必要があります。
今回の試験条件
| 使用製品 | 開発中の工作機械用オービトロン |
|---|---|
| 使用機械 | 旋盤 |
| 加工材料 | A2025アルミ材(動画公開時の記録に基づく表記) |
| 主軸回転数 | 450 rpm |
| 送り量 | 0.1 mm |
| 試験目的 | 試作品の使用前後で加工状態を比較し、次の測定項目を整理すること |
試験動画
比較で確認したかったこと
今回の動画では、試作品を使う前後の加工を見比べています。観察の対象は、次のような点です。
- 加工中の音や機械の動き
- 切削時の状態
- 切りくずの出方
- 加工面の見え方
ただし、映像や音の印象だけで「切削抵抗が下がった」「加工精度が上がった」「工具寿命が延びた」と結論づけることはできません。今回の映像は、仮説を立て、次の測定へ進むための開発記録です。
今回言えること、まだ言えないこと
言えるのは、公開した条件のもとで比較加工を行い、その様子を映像として記録したことです。一方で、この一回の試験から、すべての旋盤、材料、工具、加工条件で同じ結果になるとは言えません。
加工結果は、機械の剛性、工具、刃先の状態、材料、切込み量、温度、固定方法などにも左右されます。だからこそ、体感だけで終わらせず、条件と測定方法を増やしながら検証を重ねます。
今後、数値で確認したい項目
- 加工面の表面粗さ
- 加工後の寸法精度
- 主軸モーターの電流値や消費電力
- 加工中の振動値
- 加工音の周波数と音圧
- 工具摩耗の進み方
- 条件をそろえて繰り返した際の再現性
一つずつ測定できる形に変えることで、何が変わり、何が変わらないのかを整理できます。
車両での研究と、工作機械での試験
車両用オービトロンで培った考え方を、そのまま工作機械の結果として扱うことはできません。対象も評価方法も異なるためです。
それでも、条件をそろえて比較し、使用者の印象と測定値を分けて記録する姿勢は共通しています。車両分野で続けてきた開発の背景は、数値だけでは語れない「走りの質」を追求してきた10年以上の歩みで紹介しています。
現在は開発段階です
今回の工作機械用オービトロンは開発中の試作品で、現在は一般販売していません。仕様や形状、評価方法は、今後の試験によって変更する可能性があります。
研究開発の考え方は研究開発ページ、技術の背景は技術ページでご覧いただけます。市販中の車両用製品についてはオービトロン総合案内をご確認ください。
よくある質問
この工作機械用オービトロンは購入できますか?
現在は開発段階のため、一般販売していません。
車両用オービトロンと同じ製品ですか?
いいえ。今回使用したのは、工作機械への応用を目的に開発している試作品です。
動画と同じ変化が、ほかの旋盤でも起きますか?
現時点では断定できません。機械、材料、工具、加工条件によって結果が変わるため、測定と再現試験が必要です。
試験情報
- 試験の位置づけ
- 開発中の工作機械用オービトロンを用いた比較試験です。
- 条件
- 旋盤、A2025アルミ材、主軸回転数450 rpm、送り量0.1 mm。材料名は動画公開時の記録に基づきます。
- 記録方法
- 使用前後の加工状態を動画で記録しました。
- 限界
- 単一条件での観察であり、表面粗さ、寸法精度、電流、振動、工具摩耗などの定量測定は本記事の範囲に含みません。性能向上や他条件での再現を保証するものではありません。
- 出典
- 工作機械用オービトロンの旋盤での比較試験
- 執筆者
- 金光利久(株式会社ネクストサイエンス 代表取締役)
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