旧車の排ガス検査とHC・COの点検をイメージした排気管

旧車の排ガス検査|HCとCOを同時に下げるための点検方法

旧車の排ガス検査でHCとCOが高いときの原因と点検順序を解説。点火、混合気、吸気、圧縮、触媒を確認し、数値の根本原因を整えます。

旧車の排ガス検査で、HC(炭化水素)とCO(一酸化炭素)がともに高い。そんなときは、検査直前の小手先の対策ではなく、燃焼が不完全になる原因を順番に確認することが近道です。

HCとCOは別の成分ですが、点火不良、濃すぎる混合気、吸気不足など、共通する原因で同時に増えることがあります。本記事では、旧車で確認したい項目を整備の順序に沿って整理します。

HCとCOは何を示すのか

HC:燃え切らずに残った燃料成分

HCは、燃焼しなかった、または燃え切らなかった炭化水素です。失火、弱い火花、圧縮不足、混合気の偏りなどがあると増えやすくなります。

CO:酸素が足りない燃焼で増えやすい成分

COは、燃料に対して空気が少ない濃い混合気や、不完全燃焼の状態で増えやすくなります。キャブレター車ではチョークや混合気調整、インジェクション車では水温・吸気・酸素センサーなども確認対象です。

HCとCOが同時に高いときに疑うこと

二つの数値が同時に高い場合、次のような原因が重なっていないかを確認します。

  • スパークプラグ、プラグコード、ディストリビューター、点火コイルの劣化
  • チョークの戻り不良やキャブレターの混合気が濃すぎる状態
  • エアクリーナーの目詰まりによる吸気不足
  • インジェクターの噴霧不良や燃圧の異常
  • 水温センサー、吸気センサー、酸素センサーなどの不調
  • バルブクリアランス、圧縮圧力、点火時期のずれ
  • 触媒が十分に温まっていない、または触媒の劣化
  • 排気漏れや二次空気装置の不具合

年式や制御方式によって点検箇所は変わります。キャブレター車と電子制御車を同じ手順だけで判断せず、その車両の整備要領に沿って確認してください。

数値を追いかける前に、この順番で点検する

  1. 現在の症状を確認する
    始動性、アイドリングのばらつき、黒煙、燃料臭、失火、警告灯の有無を記録します。
  2. 基本整備を確認する
    エンジンオイル、エアクリーナー、スパークプラグ、点火系、燃料漏れ、負圧ホースを点検します。
  3. 完全暖機後に測定する
    冷間時は燃料が濃くなりやすく、触媒も十分に働きません。指定された条件まで暖機してから測定します。
  4. 混合気と点火時期を確認する
    キャブレター調整、チョーク、水温信号、燃圧、点火時期などを整備基準値と比較します。
  5. 圧縮と触媒を確認する
    基本整備で改善しない場合は、圧縮圧力、バルブ、触媒の状態まで範囲を広げます。

HCだけ、COだけが高い場合

測定傾向 代表的な確認項目 考え方
HCが高く、COは比較的低い 失火、点火系、圧縮、混合気のばらつき 燃料が燃えずに排出されていないかを確認
COが高く、HCは比較的低い 混合気過濃、チョーク、吸気不足、燃圧 空気に対して燃料が多すぎないかを確認
HCとCOがともに高い 過濃、点火不良、暖機不足、触媒 燃焼と後処理の両方を順番に確認

この表は診断の入口です。測定値だけで部品交換を決めず、整備工場で追加測定を行ってください。

排ガス検査の前に確認したいこと

  • エンジンが完全に暖まっているか
  • 長期保管した古い燃料が残っていないか
  • アイドリング回転数や点火時期が基準内か
  • チョークが戻っているか
  • 直前にバッテリーを外し、学習値が初期化されていないか
  • 警告灯や明らかな異音・燃料臭がないか

検査基準は車両の初度登録、燃料、構造などによって異なります。合否基準と測定条件は、受検する検査場または整備工場で車両ごとに確認してください。

燃料添加剤は、故障修理の代わりではありません

燃料添加剤は、点火系の故障、圧縮不足、センサー故障、触媒の破損を修理するものではありません。HCやCOが高い場合は、まず原因を特定して整備することが先です。

そのうえで、日常的な燃料コンディショニングという考え方の選択肢として、Gerhon Fuel Conditioning ガソリン用があります。使用する場合は、対応燃料を確認し、燃料1Lに対して0.5mLの規定量を守ってください。排ガス検査への合格や、全ての車両での数値低下を保証するものではありません。

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まとめ

HCとCOを同時に下げるための万能な一手はありません。完全暖機、点火、吸気、混合気、圧縮、触媒という順序で原因を切り分け、車両本来の状態へ戻していくことが基本です。旧車ほど、調整だけで済む箇所と部品の劣化が重なっている箇所を分けて考えることが重要です。

アイキャッチ画像:Pexels掲載のフリー素材を正方形に編集して使用しています。

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