エンジンの吹け上がりが悪い原因は?回転が重く感じる理由を解説

エンジンの吹け上がりが悪い原因は?回転が重く感じる理由を解説

エンジンの吹け上がりが悪い、回転が重いと感じる原因を解説。スパークプラグ、吸気、燃焼、エンジンオイル、排気系、摩擦、電子制御など、確認したいポイントをわかりやすく紹介します。

 

「以前よりエンジンの回転が重い気がする」

「アクセルを踏んでも回転数がスムーズに上がらない」

「高回転まで回したときの伸びが悪くなった」

車に乗っていると、このような変化を感じることがあります。

一般的には、

「エンジンの吹け上がりが悪い」

と表現される症状です。

ただし、吹け上がりが悪く感じる原因は一つではありません。

点火系。

吸気系。

燃料・燃焼。

エンジンオイル。

センサーや電子制御。

排気系。

エンジン内部の摩擦。

トランスミッションや駆動系。

など、さまざまな要素が関係します。

また、

「エンジンの吹け上がりが悪い」

ことと、

「車の加速が悪い」

ことは、似ているようで少し違います。

今回は、エンジンの回転が重く感じる仕組みと、確認したい代表的な原因について解説します。

そもそも「吹け上がり」とは?

「吹け上がり」は正式な性能指標ではなく、一般的にエンジン回転数の上昇の仕方を表す言葉です。

アクセルを踏んだときに、

エンジン回転数が素早く上がる。

途中で引っかかるような感じがない。

回転の上昇が滑らか。

アクセルを戻したときの回転変化も自然。

といった状態は、

「吹け上がりが良い」

と表現されることがあります。

反対に、

アクセルを踏んでも回転数が上がりにくい。

途中で息つきを感じる。

回転がざらつく。

以前より重く感じる。

高回転まで伸びにくい。

という状態を、

「吹け上がりが悪い」

と感じることがあります。

「吹け上がり」と「加速」は同じではない

ここは重要なポイントです。

エンジンの吹け上がりは、

エンジン回転数がどのように変化するか

という話です。

一方、車の加速は、

車速がどのように上昇するか

という話です。

例えばCVT車では、アクセルを踏むと先にエンジン回転数が上昇し、その後車速がついてくることがあります。

この場合、

エンジンはよく回っている。

しかし車速の伸び方は別の印象になる。

ということがあります。

反対に、大きな低速トルクを持つエンジンでは、回転数を大きく上げなくても車が力強く加速することがあります。

したがって、

吹け上がり。

アクセルレスポンス。

実際の加速性能。

は、それぞれ分けて考える必要があります。

エンジン回転数はなぜ上がるのか?

ガソリンエンジンを単純化すると、アクセル操作によって吸入空気量などが変化し、それに合わせて燃料噴射や点火が制御されます。

燃焼によって発生した力がピストンを押し、

コンロッド。

クランクシャフト。

を回転させます。

アクセルを踏み込んだときに、エンジンが現在の回転状態を維持するために必要な力を超えるトルクを発生すれば、回転数は上昇します。

しかしエンジン内部には、

ピストンとシリンダー。

ピストンリング。

クランクシャフト。

カムシャフト。

バルブ系。

オイルポンプ。

補機類。

などによる抵抗があります。

つまり、

燃焼によって生まれる力

と、

回転を妨げる抵抗

のバランスによって、回転の上がり方が変わります。

原因1 スパークプラグや点火系の状態

ガソリンエンジンで最初に考えたいものの一つが点火系です。

ガソリンエンジンは、圧縮された混合気へスパークプラグで火花を飛ばして燃焼させます。

スパークプラグは使用するにつれて電極が消耗します。

電極の状態が悪くなったり、ギャップが適切でなくなったりすると、条件によっては正常に火花を飛ばしにくくなります。

その結果、

失火。

息つき。

振動。

始動性の低下。

加速時の力不足。

などが発生することがあります。

特にアクセルを踏み込んだ高負荷状態では、点火に必要な条件も厳しくなります。

「ゆっくり走っていると問題ないが、強く加速すると回転がスムーズに上がらない」

という場合には、スパークプラグやイグニッションコイルなどの点火系も確認対象になります。

原因2 吸気系の状態

エンジンが適切に燃焼するには、必要な量の空気を取り込む必要があります。

空気は一般的に、

エアクリーナー。

吸気ダクト。

スロットル。

インテークマニホールド。

などを通ってエンジンへ入ります。

吸気系の状態によって必要な空気を十分に取り込めなければ、エンジン性能に影響する可能性があります。

例えば、

エアクリーナーの著しい汚れ。

吸気経路の異常。

スロットル周辺の汚れ。

センサー異常。

などです。

ただし、

「エアクリーナーが少し汚れているから吹け上がりが悪い」

と簡単に断定できるわけではありません。

現代の車は電子制御されているため、故障診断を含めて総合的に確認する必要があります。

原因3 スロットルと電子制御

現在の多くの車では電子スロットルが使われています。

アクセルペダルとスロットルバルブがワイヤーで直接つながっているのではなく、

アクセル操作。

エンジン回転数。

車速。

負荷。

トランスミッション。

各種センサー。

などの情報を使ってスロットル開度が制御されます。

そのため、

アクセルペダルを50%踏んだからスロットルも必ず50%開く

という単純な関係ではありません。

エンジン保護。

燃費。

排出ガス。

トラクション制御。

変速制御。

などを考慮してECUが制御します。

したがって、車種によっては正常な状態でも、

「アクセル操作に対して回転数が少しゆっくり上がる」

ように感じる場合があります。

以前から同じなら車両特性の可能性があります。

一方、

以前は軽く回っていたのに急に変わった

のであれば、別の原因を調べる必要があります。

原因4 燃料噴射や燃焼状態

エンジンがスムーズに回転するためには、

空気。

燃料。

点火。

が適切な状態で組み合わされる必要があります。

燃料噴射系や燃焼状態に問題がある場合、

アイドリングが不安定。

加速時に息つきする。

回転の上昇が滑らかでない。

振動が増える。

といった症状が現れることがあります。

関連する部品としては、

インジェクター。

燃料ポンプ。

燃圧系。

エアフローメーター。

O2センサー。

A/Fセンサー。

などがあります。

ただし、原因を運転感覚だけで特定するのは困難です。

現代の車では故障診断機によるエラーコードやセンサーデータの確認が重要になります。

原因5 エンジンオイルの状態や粘度

エンジン内部では、多数の部品が高速で動いています。

その摩擦を適切に管理しているのがエンジンオイルです。

エンジンオイルには、

潤滑。

冷却。

清浄。

密封。

防錆。

など複数の役割があります。

そしてエンジンの回転フィールには、オイルの粘度も関係します。

粘度は高ければ良い、低ければ良いというものではありません。

メーカーがエンジンの設計に合わせて指定しています。

例えば0W-20指定のエンジンに対して、単純に

「高粘度の方がエンジンを守りそう」

という理由だけで大きく異なる粘度を選ぶのは適切ではありません。

反対に、指定されていない極端に低い粘度を選ぶこともおすすめできません。

基本は、

取扱説明書に記載された規格と粘度を確認する

ことです。

なぜオイル粘度で回転フィールが変わるのか?

エンジンオイルは部品同士の間に油膜を形成します。

その一方で、液体そのものにも粘性抵抗があります。

一般的には粘度が高くなるほど、流体を動かすために必要な抵抗も大きくなる方向に働きます。

そのため、条件によってはエンジン回転の印象に影響することがあります。

しかし、これは

「とにかく低粘度オイルにすればエンジンが軽く回る」

という意味ではありません。

必要な油膜や潤滑性能を確保することが大前提です。

車種、エンジン、使用環境に合ったメーカー指定の粘度を使用することが重要です。

原因6 エンジンが冷えている

エンジン始動直後と暖機後では、状態が異なります。

冷間時には、

エンジンオイルの粘度。

燃料噴射制御。

アイドリング制御。

各部品の温度。

などが暖機後とは違います。

そのため、始動直後にエンジンの回転フィールが少し重く感じても、それだけで異常とは限りません。

特に冬場など外気温が低い環境では、その違いを感じやすくなります。

エンジンが十分に暖まった状態と比較することが重要です。

ただし、暖機後も明らかに異常が続く場合には点検が必要です。

原因7 排気系の抵抗

エンジンは空気を吸うだけでなく、燃焼後の排気ガスを外へ排出する必要があります。

排気系には、

エキゾーストマニホールド。

触媒。

マフラー。

などがあります。

排気系に異常があり、排気ガスが正常に流れにくくなれば、エンジン性能に影響する可能性があります。

例えば触媒内部の異常などによって排気抵抗が極端に増えると、

高回転まで伸びにくい。

負荷をかけると力が出ない。

一定以上回転数が上がりにくい。

といった症状につながる場合があります。

ただし排気系は高温になるため、一般ユーザーが安易に分解・確認するのは危険です。

異常が疑われる場合は整備工場で点検する方が安全です。

原因8 エンジン内部の摩擦や機械的な状態

エンジン内部にはさまざまな摩擦があります。

例えば、

ピストンリングとシリンダー。

クランクシャフトの軸受。

カムシャフト。

バルブ機構。

チェーンやベルト系。

オイルポンプ。

などです。

摩擦そのものは異常ではありません。

むしろエンジンを正常に動かすために必要な接触や油膜もあります。

重要なのは、

設計された適切な状態になっているか

です。

潤滑不足。

部品の異常摩耗。

ベアリングの不具合。

オイル管理の問題。

などがあれば、回転抵抗が増える可能性があります。

ただし、こうした内部状態を「吹け上がりの感覚」だけで診断することはできません。

異音や油圧警告などが伴う場合には、運転を続けず点検を受けることが重要です。

補機類の抵抗が影響することもある

エンジンはクランクシャフトだけを回しているわけではありません。

車種によって、

オルタネーター。

エアコンコンプレッサー。

ウォーターポンプ。

各種ポンプ。

なども駆動しています。

エアコンを使用したときに、

少しエンジン負荷が増えた。

アイドリング音が変わった。

と感じることがあるのは、このような補機負荷も関係しています。

通常はECUが補正しますが、補機類に異常な抵抗がある場合にはエンジンフィールへ影響する可能性があります。

ターボ車の場合は過給も関係する

ターボエンジンでは、過給状態も加速時の印象に関係します。

ターボチャージャーは排気ガスのエネルギーを使って吸入空気を圧縮します。

そのため、

吸気系。

排気系。

過給圧制御。

インタークーラー。

配管。

などに問題があれば、本来のトルクが出にくくなる場合があります。

この場合、

エンジンそのものが回らない

というより、

負荷をかけたときの力が出ず、結果として回転が伸びない

と感じることがあります。

ATやCVTの影響で「吹け上がりが悪い」と感じることもある

実際にはエンジンに問題がなくても、トランスミッションの制御によって回転の上がり方が違って感じる場合があります。

ATでは、

シフトアップ。

キックダウン。

ロックアップ。

などによってエンジン回転数が変化します。

CVTでは、変速比を連続的に変えることで、エンジンを効率の良い回転域へ保とうとします。

そのため、

以前乗っていたMT車と比べると回転の上がり方が違う。

スポーツモードと通常モードで印象が違う。

ということもあります。

「吹け上がり」という感覚だけでエンジン故障と判断しないことが大切です。

ニュートラルで回せば判断できる?

エンジンの吹け上がりを確認するために、

「PやNに入れて空ぶかしすれば分かる」

と考える場合があります。

しかし、これだけでは正確な判断はできません。

無負荷状態と走行中ではエンジンにかかる負荷が大きく違います。

また現代車では、PレンジやNレンジでエンジン回転数を制限する制御が入る車種もあります。

したがって、

PやNで高回転まで回らない

というだけで故障とは判断できません。

必要以上の空ぶかしも避け、メーカーの取扱説明書や整備基準に従うことが重要です。

「高回転まで回らない」場合は注意

単純に回転フィールが少し重いというレベルではなく、

一定の回転数以上へまったく上がらない。

エンジン警告灯が点灯している。

激しい振動がある。

明らかな失火がある。

異音がする。

黒煙や白煙が急に増えた。

焦げたような臭いがする。

水温警告が出ている。

油圧警告灯が点灯している。

という場合には、通常の「吹け上がり」の問題として考えない方がよいでしょう。

エンジン保護のために出力を制限するフェイルセーフ制御が働いている可能性もあります。

無理に走行を続けず、販売店や整備工場へ相談してください。

エンジンの吹け上がりが悪いときに最初に確認したいこと

異常を感じたら、まず以前との違いを整理します。

いつから変わったのか。

冷間時だけなのか。

暖機後も続くのか。

低回転だけなのか。

高回転で伸びないのか。

エアコンONとOFFで変わるのか。

警告灯は点灯しているか。

振動や異音はあるか。

最近オイル交換をしたか。

最近何か部品を交換したか。

こうした情報があると、整備工場でも原因を探しやすくなります。

基本メンテナンスを確認する

明確な故障症状がない場合には、基本的なメンテナンス状態から確認することが重要です。

例えば、

エンジンオイルの交換時期。

オイル量。

指定粘度。

エアクリーナー。

スパークプラグ。

その他の定期交換部品。

などです。

特にスパークプラグは消耗品です。

長期間使用すると電極が摩耗し、火花ギャップが広がることで失火しやすくなる場合があります。

交換時期は車種やプラグの種類によって異なるため、取扱説明書や整備記録を確認してください。

添加剤を入れれば吹け上がりは改善する?

ここは慎重に考える必要があります。

エンジンオイル添加剤や燃料添加剤には、それぞれ異なる目的があります。

しかし、

吹け上がりが悪い=添加剤を入れれば直る

というものではありません。

例えば、

スパークプラグが故障している。

イグニッションコイルに問題がある。

センサー異常がある。

触媒に問題がある。

エンジン内部が故障している。

という状態を添加剤で修理することはできません。

まず必要なのは、

故障なのか。

メンテナンス状態なのか。

車両本来の特性なのか。

を切り分けることです。

「吹け上がりを軽くしたい」だけでオイル粘度を変えない

エンジンの回転を軽く感じさせたいという理由で、

指定より大幅に低い粘度のオイルへ変更する

こともおすすめできません。

オイル粘度は回転抵抗だけで決めるものではありません。

油膜保持。

高温時の保護。

エンジン設計。

使用環境。

などを考慮して指定されています。

まずはメーカー指定の粘度・規格を使用することが基本です。

オイル粘度については、

「0W-20と5W-30の違いとは?」

の記事で詳しく解説しています。

吹け上がりとフリクションロス

エンジンは燃料のエネルギーをすべてタイヤの駆動力へ変換できるわけではありません。

エンジン内部では、

摩擦。

ポンプ損失。

補機駆動。

などによってエネルギーの一部が失われます。

こうした損失の一つがフリクションロスです。

摩擦抵抗が大きくなれば、燃焼によって発生した力のうち、エンジン自身を回すために使われる割合も増えます。

そのため、エンジンの回転フィールを考えるうえでも摩擦・潤滑は重要なテーマです。

ただし、

「吹け上がりが悪い=摩擦が増えている」

と断定することはできません。

点火、吸気、燃焼、制御などを含めて総合的に考える必要があります。

新車時より回転が重く感じるのは故障?

必ずしも故障とは限りません。

車は使用していく中で、

タイヤ。

オイル。

点火系。

吸気系。

駆動系。

などの状態が変化します。

またドライバー自身が車に慣れることで、以前より変化を感じやすくなることもあります。

重要なのは、

突然大きく変化したのか。

徐々に変わったのか。

他の症状を伴っているのか。

です。

突然変化した場合や警告灯を伴う場合は、点検を優先してください。

ネクストサイエンスが考える「回転フィール」

エンジンの性能は、

最高出力。

最大トルク。

だけでは説明しきれません。

実際に運転すると、

回転の滑らかさ。

アクセルを踏んだときの反応。

振動。

音。

回転上昇の自然さ。

といったフィーリングがあります。

そして、その背景には、

燃焼・燃料。

摩擦・潤滑。

電子環境。

機械的な状態。

など、複数の要素があります。

ネクストサイエンスでは、単純に何かを足して最高出力を上げることだけではなく、

エネルギーがどこで生まれ。

どこで抵抗を受け。

どのように伝わっているのか。

という視点から「走りの質」を考えています。

エンジンの吹け上がりも、そのような車両コンディションを感じる一つの要素です。

まとめ 吹け上がりが悪い原因は一つではない

エンジンの吹け上がりとは、一般的にアクセル操作に対してエンジン回転数がどのように上昇するかを表す感覚です。

吹け上がりが悪く感じる原因としては、

スパークプラグや点火系。

吸気系。

電子スロットルや制御。

燃料・燃焼状態。

エンジンオイル。

冷間時の状態。

排気系。

エンジン内部の摩擦。

補機類。

ターボ・過給系。

トランスミッション制御。

などが考えられます。

重要なのは、

一つの原因に決めつけないことです。

まず、

冷間時だけか。

暖機後も続くか。

低回転か高回転か。

警告灯や振動はあるか。

基本メンテナンスは行われているか。

を確認します。

そして、

警告灯。

激しい振動。

異音。

煙。

異臭。

明らかな失火。

急激な性能低下。

などを伴う場合には、添加剤や自己判断で様子を見るのではなく、販売店や整備工場で点検を受けてください。

エンジンが軽く、滑らかに回る状態を保つためには、特別な方法よりも、まず車両の基本コンディションを適切に維持することが重要です。

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