車の燃費が悪くなる原因10選|タイヤ・エンジン・摩擦・燃焼から考える

車の燃費が悪くなる原因10選|タイヤ・エンジン・摩擦・燃焼から考える

車の燃費が悪くなる原因は一つではありません。タイヤの空気圧、運転方法、エンジンオイル、点火・燃焼状態、摩擦や駆動損失など、代表的な10の原因と確認ポイントをわかりやすく解説します。

 

「以前より燃費が悪くなった気がする」

「同じ道を走っているのに、ガソリンの減りが早い」

「車が古くなると燃費は悪くなるの?」

このように感じたことはないでしょうか。

車の燃費は、エンジンだけで決まるものではありません。

タイヤ。

エンジンの燃焼状態。

エンジンオイル。

摩擦抵抗。

運転方法。

車両重量。

気温やエアコン。

さまざまな要素が重なって、最終的な燃費が決まります。

そのため、燃費が悪くなったときには、

「エンジンが悪い」

と一つの原因だけを疑うのではなく、

「どこで余分なエネルギーを使っているのか」

という視点で考えることが重要です。

今回は、車の燃費が悪くなる代表的な10の原因を、タイヤ、エンジン、摩擦、燃焼などの視点からわかりやすく解説します。

そもそも燃費とは?

燃費とは、一定量の燃料でどれだけ走行できるかを示す数値です。

日本では一般的に、

km/L

で表示されます。

例えば、

燃費20km/L

なら、理論上はガソリン1Lで20km走行できるという意味です。

ただし、実際の燃費はカタログ値と同じになるとは限りません。

気温。

道路状況。

渋滞。

エアコン。

積載量。

タイヤ。

運転方法。

などによって変化します。

JAFも、実際の燃費は気象条件、使用環境、運転方法、エアコンの使用状況などによって変わると説明しています。

つまり燃費は、

「車そのものの性能」

だけでなく、

「車の状態と使い方」

によって決まるものなのです。

原因1 タイヤの空気圧が低い

燃費が悪くなったとき、最初に確認したいのがタイヤの空気圧です。

タイヤの空気圧が低くなると、走行中のタイヤの変形量が大きくなります。

すると「転がり抵抗」が増え、車を前へ進めるためにより多くのエネルギーが必要になります。

JAFのユーザーテストでは、指定空気圧から30%低下した状態で平均4.6%、60%低下した状態では平均12.3%燃費が悪化しました。これは特定条件での試験結果ですが、空気圧不足が燃費に影響することがよく分かります。

タイヤの空気は、パンクしていなくても徐々に抜けていきます。

そのため、

「見た目では問題なさそう」

だけで判断せず、エアゲージで定期的に確認することが重要です。

JAFでは少なくとも月に1回程度の点検を勧めています。

原因2 急加速・急減速が多い

燃費には運転方法も大きく関係します。

アクセルを強く踏んで急加速すると、その瞬間に多くの燃料が必要になります。

そして速度を上げた直後にブレーキを踏めば、せっかく燃料を使って得た運動エネルギーをブレーキで熱として捨てることになります。

つまり、

急加速。

急減速。

再加速。

を繰り返す運転は、エネルギーを効率よく使いにくいということです。

国土交通省の「エコドライブ10のすすめ」でも、

ふんわりアクセル。

加速・減速の少ない運転。

早めにアクセルを離す。

といった運転方法が推奨されています。

燃費を改善したい場合には、

アクセルを一定に保つ。

前方を早めに見る。

不要な加減速を減らす。

というだけでも変化が出ることがあります。

原因3 エアクリーナーが汚れている

エンジンは燃料だけでは動きません。

空気を取り込み、燃料と混ぜて燃焼させることで力を発生します。

エンジンへ入る空気をきれいにするのがエアクリーナーです。

エアクリーナーにホコリや汚れが蓄積して目詰まりすると、エンジンへ十分な空気を送りにくくなる場合があります。

Hondaも、エアクリーナーエレメントの汚れや目詰まりを放置すると、エンジン性能が低下し燃費の悪化につながると説明しています。

特に、

最近アクセルを深く踏むようになった。

高回転で伸びにくい。

燃費も悪くなってきた。

という場合は、吸気系の点検も候補になります。

原因4 スパークプラグや点火系の劣化

ガソリンエンジンでは、スパークプラグによって混合気へ火花を飛ばし、燃焼させます。

スパークプラグは消耗品です。

電極が摩耗したり状態が悪化したりすると、安定して点火できなくなる場合があります。

失火が発生すれば、

燃費悪化。

出力低下。

振動。

不完全燃焼。

などにつながる可能性があります。

NGKも、スパークプラグの電極消耗によって失火が発生すると、燃費悪化やエンジン出力低下を招くおそれがあると説明しています。

燃費が悪いだけでなく、

アイドリングが不安定。

加速時に息つきする。

振動が増えた。

という症状がある場合には、点火系も確認したいポイントです。

原因5 エンジンオイルの状態や粘度が合っていない

エンジン内部には、多くの動く部品があります。

ピストン。

クランクシャフト。

カムシャフト。

ベアリング。

こうした部品の摩擦を抑えるためにエンジンオイルが使われています。

しかしオイルにも粘度があります。

粘度が高すぎる条件では、オイルそのものを動かすための抵抗が増える場合があります。

反対に、そのエンジンに対して低すぎる粘度を自己判断で使用することも適切ではありません。

大切なのは、

「柔らかいオイルほど燃費が良い」

ではなく、

メーカーが指定する粘度と規格を使うことです。

以前の記事で解説した0W-20と5W-30も、単純にどちらが優れているというものではありません。

エンジン設計に適した粘度を使用することが基本です。

また、オイル量が不足すればエンジン内部の損傷につながる可能性もあるため、量の確認も重要です。JAFも日常点検項目としてエンジンオイル量の確認を挙げています。

原因6 燃焼状態が本来の状態から外れている

燃費を考えるうえで非常に重要なのが「燃焼」です。

エンジンでは、

空気を取り込む。

燃料を噴射する。

混合する。

点火または自己着火する。

燃焼させる。

という一連の工程を繰り返しています。

このどこかに問題があれば、燃料から効率よく力を取り出しにくくなります。

例えば、

インジェクター。

スパークプラグ。

エアフローメーター。

O2センサー。

各種温度センサー。

などの状態も、燃焼制御に関係しています。

大切なのは、

「燃料をたくさん入れれば力が出る」

というものではないことです。

適切な空気量。

適切な燃料量。

適切なタイミング。

これらがそろって初めて、効率の良い燃焼につながります。

燃費が急激に悪化した場合やエンジン警告灯が点灯している場合には、燃料添加剤などで様子を見る前に点検を受けることが重要です。

原因7 摩擦や駆動損失が増えている

エンジンが作った力のすべてが、タイヤへ届くわけではありません。

車の中では、

エンジン内部。

トランスミッション。

デファレンシャル。

ドライブシャフト。

ベアリング。

タイヤ。

など、多くの場所で摩擦や抵抗が発生しています。

これが以前の記事で解説した「フリクションロス」です。

摩擦が大きくなれば、その抵抗を乗り越えるためにもエネルギーが必要になります。

例えば、

ブレーキの引きずり。

ベアリングの異常。

駆動系の不具合。

などがあれば、車の転がり抵抗が増える可能性があります。

「アクセルを離したときに以前より転がらない」

「車が重く感じる」

「燃費も同時に悪化した」

という場合には、単純にエンジンだけを見るのではなく、車全体の抵抗を考える必要があります。

原因8 不要な荷物や車両重量

車を加速させるためには、車体そのものを動かす必要があります。

当然ながら、重いものを動かすほど大きなエネルギーが必要になります。

例えば、

トランクに長期間積んだままの荷物。

工具。

アウトドア用品。

ゴルフバッグ。

使っていないチャイルド用品。

などが積み重なると、その分だけ重量が増えます。

国土交通省の「エコドライブ10のすすめ」にも、「不要な荷物はおろそう」という項目があります。

また、ルーフボックスやキャリアなどは重量だけでなく、走行時の空気抵抗にも関係します。

特に高速道路では、空気抵抗の影響も大きくなります。

使わないものを常に積んでおく必要がないのであれば、降ろしておく方が合理的です。

原因9 エアコンや気温の影響

燃費は季節によっても変化します。

特に夏場は、エアコンのコンプレッサーを動かすためにエンジンへ負荷がかかります。

そのため冷房を強く使用する状況では、燃料消費に影響します。

国土交通省も、エコドライブの項目として「エアコンの使用は適切に」を挙げています。

一方、冬も燃費が悪くなりやすい条件があります。

エンジンやオイルが冷えている。

暖機が必要。

気温低下によってタイヤ空気圧も下がりやすい。

短距離ではエンジンが十分暖まらない。

など複数の要素が重なります。

つまり、

「夏だけ燃費が悪くなる」

「冬だけ悪くなる」

ということではありません。

季節によって燃費が変化するのは珍しいことではないのです。

原因10 短距離走行が多い

近所への買い物。

子どもの送迎。

駅までの往復。

数km程度の短距離走行を繰り返していると、燃費が悪くなりやすい場合があります。

なぜなら、エンジンは始動直後から常に最も効率の良い状態で動いているわけではないからです。

冷えているエンジンを適正温度へ持っていくためには時間が必要です。

エンジンオイルも低温時には粘度が高くなりやすく、内部抵抗も大きくなります。

そのため、

エンジンを始動。

2〜3km走行。

停止。

また冷える。

再び始動。

という使い方では、暖まった状態で長く走る場合より燃費が悪くなりやすくなります。

JAFも、実燃費にはエンジンが冷えた状態からの走行条件が影響することを紹介しています。

燃費表示を確認するときには、

「最近、短距離走行が増えていないか」

も考えてみるとよいでしょう。

燃費が急に悪くなった場合は注意

少しずつ燃費が変化している場合と、

突然燃費が大きく悪化した場合

では、考え方が異なります。

例えば、

以前15km/Lだったのに突然10km/Lになった。

エンジン警告灯が点灯した。

アイドリングが不安定になった。

異臭がする。

黒煙や白煙が出る。

車が以前より明らかに重い。

といった症状がある場合には、整備が必要な可能性があります。

燃費の悪化は、

センサー。

点火系。

燃料系。

ブレーキ。

タイヤ。

駆動系。

などの不具合のサインとして現れる場合があります。

「燃費だけだから」と放置せず、異常を伴っている場合は販売店や整備工場で点検を受けることが大切です。

燃費改善は、まず基本的なメンテナンスから

燃費を良くしたいと考えると、

燃料添加剤。

オイル添加剤。

各種チューニングパーツ。

などに目が向きやすくなります。

しかし、その前に確認すべき基本があります。

タイヤ空気圧は適正か。

エンジンオイルは適切か。

エアクリーナーは汚れていないか。

点火系は正常か。

警告灯は点灯していないか。

ブレーキを引きずっていないか。

不要な荷物を積んでいないか。

まず車が正常な状態であることを確認する。

これが燃費を考えるうえで最も重要です。

燃料添加剤だけで燃費は改善する?

燃料添加剤には、さまざまな目的があります。

燃料系統の洗浄。

セタン価など燃料特性へのアプローチ。

燃料の安定性。

燃焼へのアプローチ。

などです。

そのため、燃料添加剤を入れればすべての燃費悪化が解決するわけではありません。

例えば、

タイヤ空気圧が低い。

ブレーキが引きずっている。

スパークプラグが故障している。

エアクリーナーが詰まっている。

このような状態では、原因そのものを改善する必要があります。

燃料添加剤は、

基本的な整備の代わり

ではありません。

車両が正常な状態にあることを確認したうえで、目的に合わせて使うことが重要です。

ネクストサイエンスが考える「燃費とエネルギー損失」

燃費を考えるとき、

「燃料をどう燃やすか」

だけを見るのでは不十分です。

燃料が持つエネルギーは、

燃焼。

熱。

エンジン内部の摩擦。

オイルの粘性抵抗。

トランスミッション。

駆動系。

タイヤの転がり抵抗。

など、さまざまな場所を通って最終的に車を前へ進める力になります。

その途中では、多くのエネルギーが失われています。

ネクストサイエンスでは、

燃焼・燃料。

摩擦・潤滑。

電子環境。

など複数の視点から車両や機械の状態を考えています。

重要なのは、

単純に「燃料を減らす」ことだけではありません。

生み出したエネルギーが、

どこで使われ。

どこで失われ。

どのようにタイヤへ届いているのか。

車全体のエネルギーの流れを見ることです。

燃費を改善するために最初に確認したい5項目

何から確認すればいいのか迷った場合は、まず次の5つから始めると分かりやすいでしょう。

  1. タイヤ空気圧を指定値に合わせる

  2. 不要な荷物を降ろす

  3. 急加速・急減速を減らす

  4. エンジンオイルや消耗品の交換状況を確認する

  5. 最近の走行条件が変わっていないか確認する

この5つは、大きな改造をしなくても確認できます。

そして、それでも以前と比べて明らかに燃費が悪い場合には、

点火。

吸気。

燃料。

駆動系。

ブレーキ。

などを点検していくと原因を絞りやすくなります。

まとめ 燃費が悪い原因は一つではない

車の燃費が悪くなる原因は、一つではありません。

タイヤ空気圧。

運転方法。

エアクリーナー。

スパークプラグ。

エンジンオイル。

燃焼状態。

摩擦・駆動損失。

車両重量。

エアコンや気温。

短距離走行。

さまざまな要素が関係しています。

だからこそ、

「燃費が悪いから添加剤」

「燃費が悪いからオイルを変える」

と一つの方法だけを試すのではなく、

まず原因を切り分けること

が重要です。

車は、燃料のエネルギーをエンジンで力に変え、多くの部品を通してタイヤへ伝えています。

その途中でどれだけエネルギーを失っているのか。

そして、どれだけ効率よく走行へ使えているのか。

この視点を持つことで、

「なぜ燃費が悪くなったのか」

が、より分かりやすく見えてきます。

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