2026年10月の鈴鹿ラウンドで、マシンの準備を進めるRS NAKATOMIのピットとスタッフ

花形のレースに、黒子として参戦する。中冨伸一の鈴鹿、タイヤ開発という使命

2026年10月24日・25日のJSB1000鈴鹿ラウンド。新王者誕生と中須賀克行選手のラストウインが重なった最終戦で、中冨伸一選手はST1000用タイヤ開発の使命を担って走りました。2日間のリザルトとRS NAKATOMIのピット映像を紹介します。

2005年、Yahoo!ブログ「がりれおとR1200GS」を始めた。 Reading 花形のレースに、黒子として参戦する。中冨伸一の鈴鹿、タイヤ開発という使命 1 minute

花形のレースに、黒子として参戦する。その仕事は、地味に美しい。

2026年10月24日・25日の鈴鹿サーキットは、日本のロードレースにとって、いくつもの節目が重なる舞台になりました。

全日本ロードレース選手権の最終戦、第58回MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿。JSB1000では、新しいチャンピオンが誕生し、長年このカテゴリーをけん引してきた王者が、最後の勝利を飾りました。

その華やかな舞台に、タイヤ開発という使命を担って参戦していたのが、中冨伸一選手です。

鈴鹿のピットに流れる時間を、映像に

今回の3分16秒の動画には、RS NAKATOMIのピット作業、マシンの準備、ファンと交流するピットウォーク、そして出走の様子を収めています。実際のエンジン音とともに、現場の空気を感じていただければと思います。

YouTubeで動画を見る(3分16秒)

新王者の誕生と、王者のラストウイン

24日のレース1は、ウエットコンディションの14周。水野涼選手が優勝し、最終レースを待たずに自身初のJSB1000シリーズチャンピオンを決めました。ドゥカティにとっても、外国メーカー車として全日本ロードレース最高峰クラスを初めて制する、歴史的な結果です。

25日のレース2は、予定の16周から12周に短縮されました。優勝したのは、この大会で現役を退く中須賀克行選手。高橋巧選手を0.827秒差で抑え、通算95勝目を現役最後のレースで記録しました。13度のタイトルを獲得したライダーが、最後まで勝利を届けて競技生活を締めくくりました。

新王者の誕生と、長年トップを走ってきた王者の最後の勝利。2026年の鈴鹿は、その二つが重なった特別な2日間でした。

参照:JRR公式・1日目レポート/ヤマハ発動機・中須賀克行選手の現役最終戦優勝発表

JSB1000 鈴鹿ラウンド・2日間の主なリザルト

2026年10月24日・25日 第58回MFJグランプリ JSB1000
順位 10月24日・レース1 10月25日・レース2
1位 水野涼 中須賀克行
2位 中須賀克行 高橋巧
3位 長島哲太 水野涼
4位 國井勇輝 ジョン・マクフィー
5位 日浦大治朗 浦本修充
中冨伸一 18位・14周完走 19位・12周完走

全順位・タイムは、鈴鹿サーキットの正式結果表で確認できます。レース1正式結果(PDF)/レース2正式結果(PDF)

ST1000仕様で、最高峰のグリッドに並ぶ理由

中冨選手の参戦には、ST1000用タイヤの開発という目的があります。

使用するのはST1000仕様のマシン。それを走らせる舞台として、あえてトップカテゴリーのJSB1000を選んでいます。優勝争いをするマシンたちと同じグリッドに並びながら、担っている仕事は異なります。

実戦の中で走り、そこで得られる情報や感触を、タイヤ開発へつなげること。

この背景を知ると、ピットでマシンを準備する時間も、ライダーがコースへ向かう瞬間も、違った意味を持って見えてきます。ライバルのいるコースで走り続け、その経験を次の開発へつなぐ。そのために、国内最高峰のグリッドに並んでいます。

この取り組みについては、第5戦もてぎの記事でも紹介しています。

中冨伸一は、この鈴鹿をどう走ったか

レース1:12番グリッドから、14周を走り切る

レース1では、12番グリッドからスタート。序盤に順位を落とし、6周目終了時には18番手となりました。5周目に自己ベストの2分20秒829を記録し、中盤は2分21秒前後で周回。その後、終盤には2分23〜24秒台となり、18位で14周を走り切りました。

これらは公式ラップ記録で確認できる走行の推移です。タイヤの選択やライダー本人の判断については、この記録だけから原因を決めつけず、実際に残された順位とタイムとして紹介しています。

記録:レース1ラップチャート(PDF)/レース1個別ラップ表(PDF)

レース2:終盤まで続いた、僅差の戦い

レース2は20番グリッドからのスタート。10周目終了時まで20番手で走行し、11周目終了時に児玉勇太選手の前へ出て19番手に上がりました。

最終結果は19位。前を走る吉田愛乃助選手との差は0.289秒、後ろの児玉選手との差は0.488秒。終盤まで近い位置にいたライバルたちとともに、12周のレースを終えています。

記録:レース2ラップチャート(PDF)/レース2正式結果(PDF)

18位と19位。この数字に、タイヤ開発という参戦目的を重ねることで、中冨選手がこの場所で担っていた役割が見えてきます。

花形のレースに、黒子として参戦する

マシンを囲むスタッフ。準備を整えるライダー。ピットに響くエンジン音。コースへ向かう背中。

新王者が生まれ、王者が最後の勝利を飾った、その同じ鈴鹿で、中冨選手とチームもまた、自分たちの使命を担っていました。

実戦で走り、感じ取り、次のタイヤ開発へつなげる。表彰台の華やかさとは違う場所で、積み重ねられている仕事があります。

花形のレースに、黒子として参戦する。
その仕事は、地味に美しい。

ぜひ、映像とともにご覧ください。

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