サルフェーション。言葉だけ聞くと難しく見えますが、鉛バッテリーでは避けて通れない現象です。
結論から言えば、放電したままの状態が長く続くと、極板にできた硫酸鉛が結晶化し、充電しても元に戻りにくくなる。これが一般にサルフェーションと呼ばれる状態です。
この記事の要点
- 硫酸鉛そのものは放電時に生じる通常の反応
- 問題は、充電不足が続いて結晶が成長し、充電反応しにくくなること
- 短距離走行、長期放置、使用頻度の低さはサルフェーションを進めやすい
- 末期まで進んだバッテリーは交換が基本。何でも「復活」するわけではない
サルフェーションとは何か
鉛バッテリーは放電すると、正極・負極の反応によって硫酸鉛が生成されます。ここまでは正常です。通常は充電すると反応が戻ります。
ところが、十分に充電されない状態で長く使ったり、放電したまま放置したりすると、硫酸鉛の結晶が大きくなり、充電反応しにくくなります。GSユアサは、チョイ乗りによる充電不足や、使用頻度が少なく長時間放電状態が続く場合に発生しやすいと説明しています。
起きやすい使い方
短距離走行ばかり
エンジン始動で使った電力を、走行中に戻し切れないまま次の始動を迎える。これを繰り返すと充電不足になりやすくなります。
週末しか乗らない
車を止めていても、時計、セキュリティ、ECUなどは少量の電気を使っています。自己放電もあります。乗らない期間が長い車ほど、充電状態を意識する必要があります。
バッテリー上がり後、そのまま使う
一度深く放電したあと、十分な充電をせず短距離走行だけで使い続けるのも良くありません。
どんな症状が出るのか
サルフェーションだけを外から見て断定することはできません。現れるのは、セルモーターの回りが弱い、充電しても持ちが悪い、CCAが低下する、といったバッテリー性能低下の症状です。
まずは使用年数・電圧・CCAを含めてバッテリー状態を確認してください。
電圧が12V台でも安心とは限らない
電圧は重要ですが、それだけでは容量や始動能力まで判断できません。表面上の電圧が戻っていても、負荷をかけると大きく電圧が落ちることがあります。だから、年数、使用状況、電圧、CCA、始動状態を一緒に見る必要があります。
サルフェーションを予防するには
- 短距離走行だけを繰り返さない
- 長期間乗らない車は、適切な充電器を使う
- 端子の緩みや腐食を放置しない
- 補水可能なバッテリーは液量を確認する
- 過放電させたまま放置しない
端子に抵抗が増えれば、充電も始動も条件が悪くなります。詳しくはバッテリー端子の接触抵抗を参照してください。
「サルフェーション除去」で何でも戻るわけではない
ここははっきり分ける必要があります。充電不足が比較的軽い段階なら、適切な充電で状態が改善することがあります。一方、極板の脱落、腐食、内部短絡、寿命末期など、物理的な劣化まで進んだバッテリーは交換が必要です。
「充電器を使えば必ず復活する」「添加剤を入れれば新品に戻る」という話ではありません。
Battery Reviveの位置づけ
ORBITRON Battery Revive 30mLは、補水可能な開放型鉛バッテリーを対象としたメンテナンス製品です。通常の精製水の代用品という位置づけではなく、製品説明に沿って適合するバッテリーに使用します。
すでに寿命を迎えたバッテリーや、ケース変形・液漏れ・極端な液減りがあるものに対して、交換の代わりに使うものではありません。
