バッテリー液が減った。何を足せばいいのか。
ここは間違えると危険です。結論はシンプルで、補水可能な液式鉛バッテリーに通常補充するのは、バッテリー用の精製水です。希硫酸を足すものではありません。水道水も使いません。
この記事の要点
- 鉛バッテリー内部の電解液は希硫酸
- 使用中に主に減るのは水分なので、通常の補水は精製水
- 希硫酸・水道水・井戸水を補充しない
- AGM・VRLAなど補水不要タイプは開けて補水しない
- 液が異常に減る、セルごとの差が大きい、極板が露出した場合は点検・交換を優先する
バッテリー液と補充液は同じではない
鉛バッテリーの中に入っている電解液は希硫酸です。しかし、使用中に液量が減ったときに補充する「バッテリー補充液」は基本的に精製水です。
GSユアサも「バッテリー用補充液とは精製水」と明記しており、補水時に希硫酸を注入しないよう案内しています。
なぜ水分だけ減るのか
液式バッテリーでは、自然蒸発や充電時の電気分解によって水分が減っていきます。特に高温時や過充電状態では減りやすくなります。そのため、通常のメンテナンスでは失われた水分を精製水で戻します。
入れていいもの・いけないもの
| 入れるもの | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| バッテリー用精製水 | ○ | 通常の補水用 |
| 水道水 | × | 不純物が自己放電や短寿命の原因になることがある |
| 井戸水 | × | ミネラルなど不純物を含む |
| 希硫酸 | × | 通常の補水として追加しない |
どこまで入れるのか
ケースにUPPER LEVELとLOWER LEVELがあるタイプは、その範囲内に液面を保ちます。入れ過ぎも良くありません。充電時に液があふれたり、周辺を腐食させる原因になります。
液面の見方や補水方法は、必ずそのバッテリーの取扱説明書に従ってください。
補水してはいけないバッテリーもある
AGMやVRLAなど、密閉構造で補水不要として設計されているバッテリーがあります。こうしたタイプを無理に開けて液を足してはいけません。自分のバッテリーが補水タイプか分からない場合は、型式を確認してメーカー情報を見てください。
液が減り過ぎている場合は「足せば終わり」ではない
頻繁に補水が必要になる、セルごとの液面差が大きい、極板が露出していた。この場合は、単なる水不足以外の問題を疑います。
GSユアサは、一度液減りで極板が露出したバッテリーについて、速やかな交換を案内しています。高温、過充電、内部劣化などが隠れている可能性があるからです。
液量と一緒に、端子とバッテリー状態も見る
補水だけして終わりではありません。使用年数、始動状態、電圧、CCAも確認します。基本的な判断順序は車のバッテリー寿命と電圧・CCAの見方で解説しています。
充電不足が長く続いた場合に起きやすいサルフェーションについても、別記事で整理しています。
また、端子が緩んでいたり腐食していたりすると、バッテリー本体とは別に電気の流れを悪くします。バッテリー端子の接触抵抗も合わせて確認してください。
Battery ReviveとBattery Restore PROについて
ORBITRON Battery Revive 30mLは、一般乗用車の補水可能な開放型鉛バッテリー向けに設計したメンテナンス製品です。
業務用車両・重機などで継続的なバッテリーメンテナンスを行う用途には、ORBITRON Battery Restore PRO 1Lがあります。
どちらも、密閉型など対象外のバッテリーに無理に使用するものではありません。また、液漏れ、ケース変形、内部故障、寿命末期のバッテリーは交換を優先してください。
